これも、よく電気工学の関係者から言われる
「24Vや、48Vにしたほうが楽ですよ」
電気工学的には当たり前である。24Vや48Vのほうがいい。
だが……だ。私がしようとしているのは「災害時、文明崩壊以後の世界」での「長期的」「自己完結的」「メンテナンスが楽」「サバイバビリティにたけている」システムの構築である。
現代社会の便利で科学技術やサプライが途切れていない条件なら、それこそ思い切り最新技術の集約でやればよい。
そもそも、12Vというのは自動車用バッテリーからの電装品のシステムであり、これは100年近く「変わっていない」「太古のシステム」である。
電気工学的なら12Vより、倍の24V、3倍の36V、4倍の48Vに電圧を上げれば「通す電流のラインを細くできる」……12Vでついてまわる「38sq」のぶっといケーブルとおさらばできる。48VならほとんどのラインをAC100Vの電線で取りまわしてもやっていけるだろう。
だが、現実的には車で動かす家電はシガーソケットDC12Vがほとんどであり、24Vはトラック用とかの一部になっている。さらに36Vや48Vになると、そもそも正弦波インバーターの価格がアホみたいに……高い。
また、バッテリーも「直列接続」になるので、常に2台、3台、4台を保有しないと「最低レベルの動作」すらできなくなる。しかも複数のバッテリーは性能劣化があってはならない。でも、12Vで組めば最後の1台でもシステムを維持できる……このサバイバビリティを考えると不利でも12Vなのだ。
あと、48Vは、EUやアメリカでもBMWやベンツなどでも「そろそろ48Vにスマートに」という流れではあるのだが、同時に安全面では「死にボルト」といわれる高い電圧なのだ。なので、一般人が電装品を取り扱うにはハードルが高くなる。ということでこれも48Vで組まない理由のひとつだ。
なので、12Vしかやらないことにしている。12Vで、できる範囲のことに落とし込む。そういう思考でやっている。